建物内にあるダクトの種類は？排気ダクトの機能や形状、使用される素材について解説！
排気ダクトは建物の内側に配置されているため、普段、私たちの目に触れることが少ない部分です。
しかし、建物を安全に使用するため、排気ダクトは必要不可欠なものです。
今回は排気ダクトの種類や形状、使用する材料などについて解説します。
ダクトとは
ダクトとは、気体を運ぶための管のことで、建物内の換気や空調、排煙などを目的に配置されます。
風導管、通風管ともよばれますが、風の通り道として非常に重要です。
飲食店や工場で多く見られますが、住宅でもダクトを使用することがあります。
建物内で快適に過ごすためには、あたらしい空気を取り入れ、汚れた空気を輩出する必要があります。
ダクトは、新鮮な空気を取り入れ、汚れた空気を効率よく排出するために必要な設備なのです。
ダクトの種類
ダクトは大きく分けると4種類です。
それぞれのダクトの特徴を見てみましょう。
排気・換気ダクト
建物内の空気を定期的に外に出すために使用されるのが排気・換気ダクトです。
一般的な住宅における換気扇と似た働きをするダクトです。
排気ダクトを設置する目的は、室内の空気を清潔に保つことです。
たとえば、工場内で発生した臭いや飲食店などから発生する臭いが、室内でこもることがないよう、室内の空気を外に排出します。
空調ダクト
空調ダクトとは、室内の温度と湿度を調整するためのダクトです。
一般的な商業施設や高層ビルに設置されています。
空調ダクトの機能が低下していると、結露や室内の異常な高温の原因となってしまいます。
厨房排気ダクト
厨房排気ダクトは、厨房内で発生した空気を外に排出するためのダクトです。
飲食店の厨房は、たくさんの料理を作るため、厨房内の空気が煙や水蒸気、油などを多く含みます。
排気・換気ダクトがしっかり機能していると、調理の際に出た熱も外に出せ、室内の環境を快適にすることができます。
排煙ダクト
排煙ダクトは、火災で発生した煙を外に排出するためのダクトです。
火災時の死亡原因の第一位は、火傷による焼死ではなく、煙に巻かれることによる窒息死です。
火災時の煙には、一酸化炭素をはじめとする有毒ガスが多く含まれています。
排煙ダクトは、こうした有毒ガスが部屋に充満するのを少しでも遅らせるため、煙を部屋の外に出します。
主なダクトの形状
ダクトの形状には、角ダクトと丸ダクトがあります。
それぞれの特徴を見てみましょう。
角ダクト
角ダクトは、四角い形のダクトのことで、形が四角いため、壁や天井に沿って貼り付けることができます。
丸ダクトに比べて空気抵抗が多く、空気の流速が遅くなってしまうことから、低速ダクトで多く使用されます。
角の部分に強い圧力がかかりやすいため、ある程度、ダクトに厚みを持たせる必要があります。
丸ダクトとことなり市販されていないため、現場の状況にあわせて自作する必要があります。
丸ダクト
丸ダクトは円柱状の丸いダクトのことで、一般に市販されているのも丸ダクトです。
角ダクトに比べると空気抵抗が少ないため、高速ダクトに適しています。
よく使用されているのは、板状の鋼材をらせん状に巻いたスパイラルダクトです。
排気ダクトに使用される素材
排気ダクトにはどのような素材が使用されているのでしょうか。
主な3つの素材を紹介します。
亜鉛メッキ鉄板
亜鉛メッキ鉄板は、鉄板に亜鉛をメッキしたもので、通常の鉄板よりもサビにくいという特徴があります。
最も一般的に使用されている素材であり、丸ダクトにも角ダクトにも使用されています。
しかし、塩害による腐食やサビに決して強いわけではありませんので、建物の外で使用する際には腐食防止措置が欠かせません。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、金属鋼板をアルミニウムや亜鉛の合金であるガルバリウムでメッキしたものです。
ガルバリウム鋼板には、亜鉛メッキ鉄板よりも腐食に強く、さまざまな天候に耐えられるという長所があります。
外部や耐熱が必要な場所でよく使用されます。
ステンレス鋼板
ステンレス鋼板とは、鉄に10.5%のクロムを加えた合金のことで、鉄に比べてサビにくい特長を持っています。
ステンレス鋼には、表面にとても薄い保護皮膜を作る働きがあるため、金属をサビから守ってくれます。
厨房などの高温多湿な環境や外気にさらされる建物外での使用に適しています。
また、光沢があるため内装を重視する飲食店やショップなどでも使用されます。
まとめ
今回は、ダクトの種類や主なダクトの形状、使用する素材などについてまとめました。
ダクトは大きく分けて、排気・換気ダクト、空調ダクト、厨房排気ダクト、排煙ダクトの4種類です。
その中でも排気ダクトは、室内の汚れた空気を外に排出するため、極めて重要な役割を果たしています。
亜鉛メッキ鉄板やガルバリウム鋼板、ステンレス鋼板などが排気ダクトの素材として使用されています。
